本書は、「人間の思考過程を支援する道具」という斬新な切り口でコンピュータ革命を夢みた多くの人物に迫り、コンピュータ史を鮮やかに描きだした歴史的名著です。コンピュータを計算のための機械ではなく「人間の考える過程を支援したり増幅するツール」ととらえて、その開発に関わった人物の軌跡をたどります。
本書は、『思考のための道具―異端の天才たちはコンピュータに何を求めたか?―』の新訳・増補版です。新版では、旧版に登場した人物にあらためて取材した「新版あとがき」が増補されています(1~14章は刊行当時のままの内容です)。コンピュータの歴史の入門書として、また、コンピュータをめぐる過去とそして未来についてみつめなおす本として、おすすめの一冊です。
日本語版新版の発行にあたり、初版を全面的に見直し、全編新訳化を図り、巻頭・本文中に20点以上の資料写真を追加、巻末には関連年表を掲載するなど、日本語版初版に大幅な追加変更を加えました。巻末には、東京大学の坂村健教授による本書解説を掲載し、より一層、読みやすく生まれ変わりました。
《本書に登場するコンピュータ革命を夢みた天才たち》
チャールズ・バベッジとエイダ・ラヴレイス伯爵夫人、ジョージ・ブール、アラン・チューリング、ジョン・フォン・ノイマン、ノーバート・ウィーナー、クロード・シャノン、J.C.R.リックライダー、ダグラス・エンゲルバート、ロバート・テイラー、アラン・ケイ、エイヴロン・バー、ブレンダ・ローレル、テッド・ネルソン
【目次紹介】(★は無料でお読みいただけます)
新版への序(★)
謝辞(★)
第一章 コンピュータ革命はこれからだ(★冒頭部分のみ)
第二章 世界初のプログラマーは伯爵夫人だった
第三章 最初のハッカーとその仮想マシン
第四章 ジョニーは爆弾を作り、頭脳も作る
第五章 かつての天才たちと高射砲
第六章 情報の中にあるものは何か
第七章 ともに考える機械
第八章 ソフトウェア史の証人――プロジェクトMACのマスコットボーイ
第九章 長距離考者の孤独
第十章 ARPAネットの卒業生たち
第十一章 ファンタジー増幅装置(アンプリファイアー)の誕生
第十二章 ブレンダと未来部隊
第十三章 知識工学者と認識論的企業家
第十四章 桃源郷(ザナドゥー)とネットワーク文化と、その向こうにあるもの
新版あとがき
解説 新・思考のための道具 坂村健
訳者あとがき
付録 関連年表
原注
索引
※本書は、以下の書籍のiPad版です。
書名:新・思考のための道具
副題:知性を拡張するためのテクノロジー――その歴史と未来
著者:ハワード・ラインゴールド(Howard Rheingold)
訳者:日暮 雅通
解説:坂村 健(東京大学教授)
定価 2,100 円 (本体価格 2,000 円)
ISBN 978-4-89362-216-7
仕様:四六変型判 並製
頁数:488ページ(口絵 6ページ)
発売:2006年5月29日